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愛知 規格外の特産瓦をリサイクルへ 産廃扱い撤廃し規制緩和求める

2020/09/29

ニュース

全国一の出荷量を誇る陶器瓦「三州瓦」の生産者でつくる愛知県陶器瓦工業組合(高浜市)は、規格外の瓦を粉砕した再生資材の再利用に向け模索している。現在、道路など公共工事へ積極的に売り込んでいるが、再生資材ゆえのなかなか前進していない。理由として、家屋の解体で出る廃瓦と同様「産業廃棄物」に分類されるため、処分する際に手間とコストがかかる。組合は「地場産業のリサイクルシステムを確立するため、規制緩和などの支援を」を求めている。

同組合によると、三州瓦は生産する工程で、ヒビやねじれが生じるなどの規格外品が約5%、年間5万トン程度発生する。これらを粉砕した資材「シャモット」は8割が再び瓦の原料になるが、残る2割の活用を進め、100%リサイクルすることを目指す。

自然粘土を高温で焼いた瓦は軽量で透水性がある上、耐久性が高い。組合が名古屋工業大などと2014年に実施した共同実験では、舗装材にした場合に液状化防止やヒートアイランド抑制効果が確認されている。すでに、名古屋市のあおなみ線・金城ふ頭駅の植樹帯や高浜市内の小学校の舗装、豊橋市内のふ頭の路盤材などに使用されている。今後さらに安定的な需要を確保するため、国道や県道、市道の路盤材、舗装材などへの再利用を試みている。

組合は8月下旬、高浜市内の道路の植樹帯にシャモットを敷き詰め、防草効果を調べる実証実験を開始。今後の売り込みを狙う。見学した同市の吉岡初浩市長は「再生資材の活用方法を広く知ってもらえれば」と期待している。

しかしながら、法律の縛りなしに埋め戻しできる土砂と違い、産業廃棄物処理法で「産廃」に分類されるシャモットの場合、同法に基づく処分が必要になるため、処分に手間やコストがかかるとして自治体から敬遠される傾向にあるため、組合としては「商品の良さは実証されていると思う。リサイクルを進めるためには、シャモットを『産廃』ではなく資材と扱ってもらいたい。特区制度など、この地域だけでもいいので規制緩和を望みたい」と今後の展望を述べている。

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