TSP施工:環境に優しい道路舗装工法 保水性優れ低コスト--姫路市開発
2008/06/30
ニュース
姫路市は、従来の道路舗装よりも工期を大幅短縮でき、廃棄物の減量化にもつながる施工法「TSP施工」を開発した。鉄鋼製造過程で出る副産物「鉄鋼スラグ」をリサイクルし、低コストで耐久性の高い舗装が実現可能という。現在、特許を申請中で、市道路整備改善課は「舗装工事や廃棄物処理で出る二酸化炭素を減らすことができ、環境面の効果は大きい」としている。
市は「地球と人に優しい道路造り」を目指し、道路舗装会社「昭和瀝青工業」(姫路市)と研究開発を進めてきた。
従来は水を通さない舗装(厚さ5センチ)の上に水を通す排水性舗装(5センチ)を施していたが、新施工法では従来の舗装の表層(3センチ)を削り取り、その上に水を通さない乳剤を散布した後、鉄鋼スラグなどのリサイクル材を原材料にした排水性舗装を施す。
市によると、工期の短縮や廃棄物の減量化などによって、従来の舗装工事に比べて排出される二酸化炭素量が大幅に減り、工費も約11%削減できる。また新しい舗装は保水性にも優れており、夏場には路面温度を5~10度下げて温暖化防止につながるという。
市は生活道路を中心に新施工法による舗装を広げていく方針。