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鹿児島県の産廃処分場、企業誘致効果は不透明、補助金など「魅力」必要

2008/09/23

ニュース

 九州で唯一、公共関与による産業廃棄物の最終処分場を持たなかった鹿児島県が建設地を正式に決め、五年後の稼働を目指し動き出した。県は「処分場は企業誘致に絶対必要」(伊藤祐一郎知事)として誘致を推進する考え。しかし企業を呼び込むには補助金などの優遇措置も不可欠で、処分場建設が即、企業進出に結びつくかは不透明だ。

 処分場の建設地は薩摩川内市の川永野地区にある採石場跡地で、県は二年半後に建設工事に着手する構え。容量は約六十万立方メートルで十五年間の処理が可能で、建設費は約九十億円を見込む。
 同県にとって処分場建設は悲願。一九九三年以降、旧喜入町(現鹿児島市)や鹿屋市、旧国分市(現霧島市)が候補に上ったが、地元の反対で建設には至らなかった。今回も二〇〇七年五月に候補地が決定してから、生活環境への影響調査などに一年以上を要した。一部の地元自治会は反対の姿勢を崩さず、安全性の説明や地元振興策の取り組みは引き続き求められる。

 現在、産業廃棄物の処理は熊本、宮崎両県に依存しており、その輸送費が企業進出の足かせ。九州経済産業局の工場立地動向調査によると、〇七年に鹿児島県に工場用地を取得した企業の設備投資予定額は百五十五億円で、九州では長崎県に次いで低い。工場立地件数もここ数年横ばいが続いている。
 ただ、処分場建設は「弱み」を克服することにはなっても他県に勝る「強み」にはなりにくい。
 県内の製造業の交流団体、鹿児島県工業倶楽部の川崎暢義会長も「産廃を自社内で処理する傾向が強まり、あまり期待できない。補助金を用意したり、道路を整備したりしないと他県に比べ優位にならない」と話す。

 九州ではここ数年、各自治体が相次ぎ進出企業への優遇措置を打ち出している。宮崎県は昨年、補助金の上限を五億円から五十億円に拡充。福岡市は今年度から東区の人工島(アイランドシティ)への進出企業に十億円を限度に交付する制度を始めた。一方、鹿児島県産業立地課によると同県が近年、新規の優遇措置を導入した例はない。
 経済産業省の「企業立地満足度調査」によると、立地先を選ぶ条件で最も多かったのは「適切な広さの工場用地を安く確保できる」。同県は北部九州に比べて平野が少ない。山間部でも可能な農畜産業に頼ってきた面は否めず、関東や福岡県など大消費地との距離という弱点もある。

 今年に入り、県はようやく具体的な目標を掲げた企業誘致に乗り出し、五月に産業集積に向けた基本計画が国からの承認を受けた。企業立地促進法に基づくもので、国の制度も活用しながら一二年度までに自動車や情報通信などの産業で百件の立地を目指す。
 目標達成には企業への補助制度の拡充に加え、道路などのインフラ整備が欠かせない。空路輸送に適した精密機械工場を積極的に誘致するなど、他県との差別化を図る必要もある。県の企業誘致の成否は産廃処分場の建設と並行した「魅力づくり」にかかっている。

出典:日本経済新聞


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