阪大と日本環境設計、古タオルからバイオ燃料 今治で実証実験
2008/08/07
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タオルを燃料にタオルを作る――。タオル産地の愛媛県今治市でこんな実験が年内に始まる。繊維のリサイクルを手掛ける日本環境設計(東京・渋谷、岩元美智彦社長)と大阪大が独自開発した新技術を使い、綿製品の廃棄物からバイオエタノールを精製。タオル製造や染色の際の工場設備の燃料に利用する。低迷する綿製品のリサイクル率を上げる狙い。
実証実験には、今治市やタオルメーカー、染色加工会社も参加。市内の染色工場で12月から始める予定。今治地区で排出するタオルなどの裁断くずや、家庭で出る古タオル、古着など衣料品ゴミを原料にする。バイオ燃料を精製するのに必要なコストやエネルギー消費など、運転条件を検証するのが主な狙いだ。
日本環境設計と阪大先端科学イノベーションセンターは2007年から共同研究を重ね、綿製品を特殊な酵素で分解してバイオエタノールを作る新技術を開発した。高温、高圧をかけたり、化学薬品を使って綿を分解しバイオエタノールを精製する方法は一般的だが、新技術は常温で圧力をかけず、エネルギー消費も少ないという。
出典:日経新聞ー四国