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桑名 「夢の技術」RDF発電17年間で幕 累積赤字30億円にも

2019/09/20

ニュース

桑名市多度町の三重ごみ固形燃料(RDF)発電所は循環型社会を目指し、県が90億円をかけて02年12月に開所。同市やいなべ市など12市町が可燃ごみを加熱、乾燥させたRDFを発電所に持ち込み、火力発電した。県は「売電で収益が出る」とアピールしたが、開所翌年の03年には死者2人を出す爆発事故が発生。採算見通しの甘さもあり、県が「夢の技術」と旗振りした発電事業は17年間で幕を閉じた。

当初、県は各市町がごみを加熱乾燥しRDFにして持ち込めば、その後の費用は不要としていたが、発電効率の悪さから参加市町への費用の負担が膨らみ、発電終了を求める市町の声が高まっていた。そのような中、桑名市などでつくる桑名広域清掃事業組合が今月、代替焼却炉を完成させたことで終了が決定。
一方で参加市町のうち、伊賀市と県南部の熊野市など一市六町は、今後のごみ処理場の整備に十年程度はかかる見通しで、ごみ処理の民間委託が長期間続くことに。
この事業での県の累積赤字は三十億円に達する見通しで、加えて今後は発電所の解体に十億円程度がかかる見込みで、県の幹部は「東京五輪の影響でさらに費用がかかりそうだ」とコメント。しかしながら、鈴木英敬知事は「尊い命を失った教訓を風化させない」として追悼事業を継続し、発電所解体終了後には事業の検証をする方針という。

◆県内の低迷するリサイクル率に悩む
県がRDF発電で実現を目指した循環型社会だが、現実には県のごみのリサイクル率は2011年をピークに減少。県廃棄物対策局の担当者は「リサイクルにかかる費用がかさみ、民間で再生が広がらないことが最大の要因」と分析。
近年増加傾向にあるペットボトルなどプラスチック類の再生は、費用の割に再生品の品質が低いこともあり、家庭から出た一般ごみの総量に対する「再利用率」は、17年には12.4%となり、RDF発電開始の02年度以降で最低となった。担当者は「住民にせっかく分別してもらっても、十分に再生し切れていないのが現実」という。県は05年に25年までに再利用率50%を掲げた「ごみゼロ社会実現プラン」を策定したがプランは10年に一度改訂したまま、現実との差異は広がる一方である。

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