東京ガスなど、紙ゴミからバイオ燃料 オフィスでリサイクル
2008/08/05
ニュース
東京ガスは東京都環境整備公社と共同で、オフィスから出る紙ゴミなどからバイオ燃料を生産する技術を開発した。特殊な発酵法でメタンガスを作り、悪臭が出ないためオフィス街でも利用できる。今年度中に都内で実証実験を始め、事業所向けに実用化する考えだ。
バイオ燃料の生産に使うのは、再利用が難しいシュレッダーで裁断した紙や使用済みの封筒、厨房(ちゅうぼう)などから出る生ゴミ。紙などを分解する微生物を加えて発酵させることで、悪臭の原因となる汚泥を作らず、メタンガスが得られる。都市ガスと混合して利用する。
1日500キログラムのゴミを処理すれば、約75立方センチメートルのメタンガスができる。これは一般家庭約30軒が1日に使う都市ガスの量に相当するという。これと同規模のメタンガスを作る試験設備を都内に建設する考え。実証実験を踏まえて、5―6年後をメドに事業化につなげる。
ゴミから作ったバイオ燃料を使えば、オフィスなどが排出する二酸化炭素(CO2)の削減にもつながる。東京ガスなどの試算によれば都市ガスだけを利用する場合と比べて、CO2の排出量が最大で4分の1に削減できるという。
これまでも生ゴミなどを発酵させてバイオ燃料をつくる試みはあるが、微生物の働きをよくするために水を入れるため汚泥が大量に発生する問題があった。そのため、農村や郊外などでの利用に限られていた。
出典:日経速報ニュース