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生ごみ再生事業に壁

2010/02/13

環境省

 レストランなどから出る食べ残しを回収して肥料に。それで育てた農産物を供給――。

 こんな循環が県内でも芽吹きつつある。県なども仕組みづくりに力を入れるが、分別の手間やコスト高の課題を克服することが、リサイクル率を高めるカギとなる。
(小暮純治)

  ◇ レストランから回収→堆肥化し農家に

  ◆ 分別手間・高コスト課題

 パンや野菜などの残飯が入った約30個のバケツが運び込まれた。下松市の廃棄物処理業者「クリーンサポートヒラタ」の一角。担当者は食品ごみの量を一つずつ計り、専用の乾燥機に投げ込む。十数時間かけて水分を蒸発させて、軽量化したり腐敗を防いだりする一次処理をしていた。

 一般廃棄物の運搬事業などを営む同社は今年1月に、食品ごみのリサイクルに乗り出したばかり。乾燥機4台など1日計800キロの処理設備を整えた。食品ごみは、地元の飲食店などの協力を得て、専用バケツ(20リットル)で回収する。平田吉勝社長(49)は、「割りばしやつまようじでも混ざったらダメ。分別の徹底が難しい」と言う。

   ◇       

 食品リサイクル法という法律がある。食品廃棄物を減らして、飼料や肥料などに再利用することを事業者に促す。2007年の法改正で、業種別のリサイクル率を定めた。外食産業なら40%だ。

 自治体も独自に生ごみの有効利用を進める。県は、いわゆる「地産地消」のリサイクル事業に取り組む。

 名づけて、「FGR」(フード アンド グリーン リサイクル)。クリーンサポートヒラタなどの業者が一次処理した食品ごみを、山口市の堆肥(たいひ)製造会社などに運び、木材片などと混ぜ合わせて、数カ月かけて堆肥にする。

 つくられた堆肥は、「エコ堆肥」として、1キロ1円(運送費は自己負担)で農家らに分配。農業に役立ててもらう。一次処理するのに必要な設備の費用も3分の1を補助する。

 現状では生ごみの大半は焼却処分されている。県廃棄物・リサイクル対策課によると、食品製造会社やスーパーなど県内の約1万7千の事業所から出る食品ごみは年間約7万トン。県は12年度までに2万トン減らす目標を掲げ、事業所や農家らに「FGR」への参加を呼びかる。08年度末で296戸の農家が約619トンのエコ堆肥を使い、FGRの仕組みで食品ごみ1200トン(同年度)が削減できたという。

 ナベヅルの越冬地として知られる周南市八代地区の農事組合法人「ファームつるの里」もその一つ。土壌改良材として09年には200トン近くを仕入れて、米や大豆づくりに使った。事務局長の大中巌さん(62)は「必要なときに必要な量だけ肥料が手に入らないと、農家にとっては利用は難しい」と指摘する。

   ◇       

 だが、食品ごみを安定的に集めるのは難しい。新規参入したクリーンサポートヒラタも課題に直面している。

 同社は専用バケツを配って、生ごみと同じ週3度の頻度で回収するなど、事業所側に負担感を与えない配慮を心がけている。しかし、外食産業や小売業の食品ごみは異物が混じることが多い。分別の手間がかかる。

 実際、同社に協力を申し出ているのは4社にとどまる。だから一定の食品ごみが集まらず、一次処理して保管したままだ。

 事業の伸び悩みは採算にも響く。同社は事業所が協力しやすいよう、可燃ごみの運搬と同額の1トン当たり2万円程度の料金設定とした。しかし、一次処理に手間や費用がかかる。

 また、地元の焼却場に運べば済む可燃ごみに比べて、堆肥製造会社まで運ぶので、さらに費用はかさむ。現状では数千円を値上げしなければ利益が出ないという。

 食品ごみのリサイクル事業に取り組む業者は、県内では5社程度。同社の平田社長は言う。「社会貢献の側面が強い。1年くらいは周知期間とみてやる覚悟が必要」

出典:asahi.com

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