日本最大級の産業廃棄物処理業者・リサイクル業者検索サイトです。

0120-33-8508

受付時間:10:00~18:00 (土日祝日除く)

エコノハサーチ

スマホ版メニュー

【NECファシリティーズ】 産業廃棄物処理施設に向け『ホウ素排水処理技術』を開発

2022/01/25

ニュース

~【国内初】繊維状吸着材を用い、処理コストを1/6に低減~

NECファシリティーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:松下 裕、以下NECファシリティーズ)は、産業廃棄物処理施設(廃棄物埋立処分場)から発生する浸出水中に含まれる「ホウ素」を、安定的かつ効率的に除去する国内初となる技術を開発した。

この技術は、セルロース繊維を母体とした特殊な吸着材に、浸出水に含まれる阻害物質に対しても吸着効果を持続させる技術を加えたもの。

産業廃棄物の埋立処分場にこの技術を適用し、一年間にわたる実証運転で、安定的な稼働と従来比1/6となる大幅な処理コストの削減を確認した。

廃棄物埋立処分場における浸出水には廃棄物を構成する物質由来の多種多様な成分が含まれている。

処理を妨げる物質である「ホウ素」もその一つであり、一般に「ホウ素」の除去には樹脂を母体とした、「粒状キレート吸着材」が用いられている。

一方、NECファシリティーズは「ホウ素」の吸着速度や吸着量に優れた、微細なセルロース繊維を母材とする「繊維状キレート吸着材」を開発したキレスト株式会社と協力し、ランニングコストを大幅に低減できる大規模設備向けの装置を実用化してきた。

しかし、「繊維状キレート吸着材」は優れた特性を有する一方で、浸出水に含まれる代表的な物質であるカルシウム等の硬水成分や炭酸を高濃度含む排水には、水の流れを阻害する物質が吸着材に固体状成分として蓄積され、偏流が起こることにより、長期的な運用が困難であるという問題があった。

しかし、同社はこの問題解決のため、上記の阻害物質が繊維表面に析出した場合の対策技術を開発し、浸出水に特有の成分が高濃度含む場合であっても、長期の安定稼働が可能となる技術を確立した。

具体的には、徐々に吸着材表面に炭酸カルシウム等の物質が析出しつつあるタイミングで、吸着材を傷つけない程度かき混ぜることにより、析出物を切り離すとともに、酸アルカリの通液により析出物を溶解させ、ほぼ完全に析出物を除去できる技術である。

今回、廃棄物埋立処分場に当技術を導入することにより、優れた吸着除去能力を長期間保持できることが実証され、浸出水中の「ホウ素」を安定的に処理することが可能となった。

また、高い吸着除去能力の維持は「繊維状キレート吸着材」が持つランニングコスト低減という本来の優れた特性を活かすことにつながり、吸着材の再生形態をオンサイト型とすることと相まり、一年間の実証運転では従来の1/6となるランニングコストの低減を実現した。

一覧へ戻る