DOWAエコシステム、低濃度PCB廃棄物の無害化と有用金属回収の新焼却炉を建築
2013/08/28
ニュース
DOWAホールディングス傘下で廃棄物処理・土壌浄化事業のDOWAエコシステムは、低濃度PCB(ポリ塩化ビフェニール)廃棄物の無害化処理と、有用金属の回収を目的にした新しい焼却炉の建築を8月19日に始めた。秋田県大館市の廃棄物処理・資源リサイクル拠点、エコシステム秋田に造り、2014年中の完成を見込んでいる。
低濃度PCB廃棄物のうち、トランスやコンデンサーなどの微量PCB汚染廃電気機器を処理できる施設が国内に少ないことから、設置することにした。こうした機器は国内に約160万台あると推定され、PCB特別措置法でPCBを含む廃棄物を2027年3月までに処理することが定められている。しかし処理施設は11カ所しかないという。
廃電気機器は絶縁油と本体の両方を処理する必要があり、本体が処理できる施設は11カ所のうち5カ所だけとなっている。エコシステム秋田では2011年に、微量PCB汚染絶縁油の無害化処理に関する認定を取得し、既存の焼却炉で絶縁油を処理しているが、今回着工した施設が完成すると、絶縁油と本体の一貫処理が可能になる。
DOWAエコシステムは、環境省の微量PCB汚染廃電気機器の焼却実証試験に2005年から複数の拠点で参画し、PCBを安全に分解・処理できることを確認した。これを受けて2011年から岡山県美咲町の廃棄物処理拠点、エコシステム山陽で専用焼却炉を使って本体の処理を行っている。エコシステム秋田にも同じ方式の施設を設ける。
出典:日経BP環境経営フォーラム