沖縄県内初、バイオガス発電
2023/10/11
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奄美市と上下水道のプラント建設などを手掛ける月島JFEアクアソリューション㈱(本社・東京都)が共同で行うバイオガス発電事業の発電開始式が10日、同市名瀬長浜町の名瀬浄化センター内の発電施設であった。安田壮平市長と月島JFE社福岡支店の林伊知郎支店長が発電設備起動のスイッチオンセレモニーを行い、県内初となるバイオガス発電事業の開始を喜んだ。
施設は、同市の下水道処理の過程で発生するバイオガス(メタンガス)を燃焼して発電。2043年までの20年間、九州電力に売電するもの。今年3月、市と同社が発電事業を共同で実施する契約を締結。6月から浄化センター内に整備を進め、今月1日に稼働した。
同社などによると、発電施設は、ガスエンジン(25㌔㍗)5機で年間約79万㌔㍗、一般家庭約220世帯分を電気を発電。固定価格買い取り制度(FIT)を用いて売電収入を得る。市の財政負担はなく、バイオガスの販売収入と土地の使用料として市は、年間約250万円、20年間で約5千万円の収益を見込んでいる。
開始式で安田市長は「持続可能な循環型社会の形成促進や下水道事業の新たな財源となることを期待している。今後も官民連携を推進し、よりよい環境の実現と持続可能な経営に取り組んでいきたい」とあいさつ。同社の林支店長も「脱炭素社会の実現に向け、官民連携を進めていきたい」と述べた。
下水汚泥処理の過程で発生するバイオガスは、未利用の再生可能エネルギー源とされる。持続可能な循環型社会の構築や地球温暖化対策の一つとして期待される。
同社は全国の26自治体で同様の発電事業を実施しており、発電が開始されたのは奄美市が21自治体目となった。