太陽光パネル 企業の間でリサイクルに力入れる動き
2023/03/30
ニュース
太陽光発電の急速な広がりで、廃棄されるパネルの急増が将来見込まれることから、企業の間でリサイクルに力を入れる動きが広がり始めています。
太陽光発電がこの10年余りで急速に普及したことに伴い、寿命で廃棄されるパネルの量は2030年代の半ばにも年間80万トンに急増すると見込まれ、対策が課題となっています。
このため、大手商社の丸紅は、パネルの原料の6割以上を占めるガラスのリサイクル事業を進め、今月、環境機器メーカーなどと連携して畜産の現場向けに再利用のガラス素材を使った脱臭装置を開発しました。
ガラスを砕いて表面に細かい穴ができるよう高温で焼き直し、穴の中に悪臭を分解する微生物を定着させる仕組みで、1つの装置にパネルおよそ300枚分のガラスが再利用されているということです。
丸紅電力アセットマネジメント部の渡辺剛史副部長は「装置の活用先を廃棄物や下水道の分野にも広げ、パネルのリサイクルを活性化したい」と話しています。
また、三菱ケミカルの子会社は先月、年間でおよそ9万枚のパネルをリサイクルできる工場を北九州市に建設しました。
パネルをガラスや金属など素材ごとに細かく選別し、82%を再利用する計画です。
将来、急増が見込まれる廃棄パネルをどう再利用していくかは大きな課題で、こうした取り組みがどこまで広がるかが焦点です。