【世界初】紙おむつを水平リサイクルで再び製品化|焼却炉がない鹿児島が試みを実施
2022/11/15
ニュース
使用済みの紙おむつを新しい紙おむつに再生する世界初の試みが、鹿児島県東部の町を舞台に進んでいる。
介護が必要な高齢者の増加に伴って大人用紙おむつの需要は増えており、廃棄物排出量に占める紙おむつの割合は2030年には7%台に達する模様。自治体と協定を締結、実証実験を進めるユニ・チャームは、世界初のリサイクル紙おむつの商品化を目指している。
回収された使用済み紙おむつは、大崎町内の「そおリサイクルセンター」内にある実証実験施設で粉砕、洗浄して素材を分離。オゾンで減菌・漂白・脱臭処理などを行い、同社の施設で再び紙おむつとして製品化する。特許も取得した同社の処理技術により、リサイクル素材からの細菌類は「検出限界以下」で衛生面は完璧で問題はない。すでに2市町内の介護施設などで試用を重ね、商品化の目処もたっている。
紙おむつのリサイクルには世界各国のメーカーなども取り組んでいるが、建築資材や固形燃料など別素材への再生にとどまり、リサイクル前と同じ商品に再生する「水平リサイクル」は世界初。2市町では現在、紙おむつの分別回収は任意だが、本格実施に踏み切れば、大崎町のリサイクル率は95%を達成する見通しだ。
大崎町住民課の松元昭二課長は「リサイクルの町として世界に貢献できる取り組みを進めていきたい」と抱負を語った。