【廃棄物処理マルシン】安芸高田に工場新設|AI・光学識別機導入
2022/09/07
ニュース
広島県安芸高田市に会社を構える(株)マルシンは、同市に混合廃棄物の選別に特化した新工場を建設した。
工場名を「ROBO TECH」とされたこの工場は、光学識別機やAI(人工知能)が搭載された国産ロボットが導入され、全国的にも珍しい特徴を持っている。
ROBO TECHは混合廃棄物の選別を専門とし、既に稼働を開始しているという。
これまで、混合廃棄物は選別に課題が多く、建設関連や災害時で排出されるものは特にリサイクルが困難だった。
しかし、特別なマシンを取り入れたことで作業が自動化され、人材不足の解消やリサイクル率の向上に繋がる。
ROBO TECHは約2,600㎡の平屋で、混合廃棄物を粗破砕機にかけたあと、傾き等を活用しておおまかに分類し、ベルトコンベアーへと流す仕組みだ。
重量物に関しては中赤外線や3次元ビジョンの3Dカメラを利用して、AIが素材の材質・形状・カラーを認識。把持式と吸着式のロボットで自動的に燃料や原料として選別を行う。
一方、軽量物は光学選別機などを用いて区別し、石炭の代用品として燃料化することで二酸化炭素削減を目指す。
マルシンによると、各過程で識別の精密さが向上すれば、高純度なリサイクル原料へ転換が可能だという。
埋立量・焼却の削減や売却単価のアップが期待され、スタッフが手作業で選別して業務効率や精度に問題があった部分も改善される。
新しい工場は総事業費12億円で、そのうちの3億円は産廃税が原資の広島県が提供する補助金を活用した。年間約2万トンの混合廃棄物を処理でき、粉じんや防火対策も強める。
同社は従業員38人。金島聡吏社長は、中山間地域では労働力確保が大きな課題とし、「AIロボットの導入で若者に関心を持ってほしい」と期待。「リサイクル率向上で、持続可能な社会の実現に貢献する」としている。