【トータルケア・システム(株)】協業で使用済みおむつリサイクルシステム構築
2022/08/11
ニュース
福岡市にあるトータルケア・システム株式会社は、紙おむつリサイクル事業の総合プロデュースなどを手掛けており、使用済み紙おむつの水溶化処理にも注力している企業だ。
この度、ともに東京都にある住友重機械エンバイロメント株式会社と凸版印刷株式会社と協業して、使用済紙おむつをプラスチックやパルプなどの再生資源としてリサイクルする「完結型マテリアルリサイクルシステム」の構築や事業化について協議をスタートさせる。
トータルケア・システムは、2004年に福岡県大牟田市にある「大牟田エコタウン」内に「ラブフォレスト大牟田工場」と名付けられた水溶化処理による紙おむつリサイクルプラントを建設した。
プラスチックや吸水ポリマー、パルプなどを回収する世界的に見ても希少な紙おむつのリサイクルシステムを構築し、日本初の快挙を成し遂げた。
リサイクル処理後の利活用にも力を入れ、再生パルプやプラスチックなどにおいて再資源化の研究開発を進めている。
再生パルプは建築資材の外壁材や内装材などの原料として有効利用し、プラスチックは経済産業省の補助事業(サポイン)を活用するなどの取り組みがされている。
この協業で、トータルケア・システムの使用済み紙おむつにおける再資源化スキルやノウハウの提供に期待が高まっている。
民間排水処理や下水処理などの水処理技術に長けている住友重機械エンバイロメントは、水溶化処理設備のプラント設計や施工を担当。設計施工から運転管理まで幅広い実績を持っていることも強みとなった。
凸版印刷は、再生資源の利活用を手掛け、介護や医療向けなどのさまざまな製品開発や販売を担う。
3月31日、環境省は自治体などを対象に「使用済紙おむつ再生利用等に関するガイドライン」を発表した。
使用済み紙おむつの焼却に代わる処理方法が掲載されているため、紙おむつのリサイクル事業が盛んになると思われる。
トータルケア・システムは「3社協業により、使用済み紙おむつの分別回収・水溶化処理・再生資源の活用まで、リサイクルシステム全体を構築し、2022年度以降の事業化および自治体採用を目指したい」としている。