秋田県大潟村に地域エネルギー会社「オーリス」新設立。脱炭素を目指し太陽光発電やバイオマス熱供給へ
2022/08/10
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東北から秋田県と秋田市、東松島市とともに、脱炭素化を進める環境省の「先行地域」第1弾に選定された秋田県大潟村は、地域エネルギー会社「オーリス」を設立した。
村と民間企業が共同で出資し、大潟共生自然エネルギー、大潟村カントリーエレベーター公社などが参画。
また、男鹿市にある再生可能エネルギー発電事業者「サンパワー」も出資し、合計3社との共同出資となった。
高橋浩人村長が社長に就き、東京のNPO法人環境エネルギー政策研究所で所長を務める飯田哲也氏が常務に就任した。
脱炭素化は政府目標では2050年度だが、環境省は先駆けて2030年度を目標としている。
5年後までに村全体の民間消費電力を賄うことを目標に、新会社のオーリスは2026年度までに村の村営住宅48棟、一般住宅100棟に太陽光パネルを取り付ける。
加えて、村内の公共施設や商業施設にも取り付ける他、村有地の出力8000kw規模のメガソーラーを新設する予定である。
事業所を含めた村内の電力消費量を上回る年間1230万kw時の発電を目指す。
さらに、村内で発生するもみ殻を燃料として活用し、バイオマス熱供給事業にも取り組む。
カントリーエレベーターにボイラーをカントリーエレベーターに新設し、熱導管を敷いて宿泊施設や温泉施設の暖房、給湯に活用するという。
各施設は重油、灯油を使っているが、村内で年1万2,000t発生するもみ殻由来のエネルギーに切り替えられれば、温室効果ガスの排出削減になる。
高橋村長は村内で開かれた記者会見で「オーリスの設立は村から脱炭素と地方創生を実現させるとともに村民の暮らしに豊かさをもたらし、持続可能な地域をつくる」と話した。