高松市「廃棄うどん」を燃料にバイオマス発電実証実験
2022/05/30
ニュース
香川県高松市は、6月から通常であれば廃棄扱いとなる讃岐うどんを燃料にしたバイオマス発電の実証実験を開始する。
一日に最大83,330立方メートルの処理能力を持っている東部下水処理場では、下水汚泥の発酵処理で発生する「メタンガス」を燃料にする発電事業を2016年2月から継続している。
年間約250万キロワットを四国電力に販売し、約1億円の収入となっていた。
しかし、夏になると下水内の温度が高くなるため、下水汚泥を発酵処理する前に発酵が進行し、ガスの発生量が低下することが問題となっている。
発電量が通常の約1/2にまで落ち込むので、解決策として目をつけたのが「讃岐うどん」である。
「タンクへの有機物を追加投入すれば低下分が補えるのではないかと考えた。
そこで、廃棄される食品、特に香川県内で大量に破棄されるうどんの利用を試みることにした」と市下水道施設課。
高松市は同市の製麺会社「さぬき麺業」と提携し、国土交通省の支援も受けながら6月3日に協定を正式に締結後、実験の開始となる見込みだ。
さぬき麺業からは、製麺時に出るうどんの切れ端400〜600キロが毎月試料として提供される手筈となっている。
市は、年間を通してタンクへの投入量やガスの増加量を調べながら、バイオマス発電の効率稼働に向けた有効性と安定的な運用の在り方等を検証していくとしている。