首都圏の自治体が電動車を積極的に導入。ごみ収集や住民への貸出、非常時の利用
2021/08/10
ニュース
二酸化炭素を排出しない環境に配慮した電気自動車などを公用車とする動きが、首都圏の自治体で活発になっている。
ゴミ収集や住民へのシェアなどに利用できないか検討するところも。
自治体が自ら旗振りをすることで、環境に優しいEVなどの利用浸透が期待できる。
電動車の割合が20年度末時点で約40%だった東京都は、2024年度に公用車のうち乗用車全約1,380台の導入を目指す。
電動車のなかでも、有害物質を排出しないゼロミッション車にスイッチする方向で進めているが、大人数の乗車や足場の悪い山道走行などは安全等を考慮し、ハイブリッド車(HV)を含めて検討している。
東京都の意向は、2030年までに都内で販売する全新車を電動車にすることだ。
EVやFCVなどの購入費用には補助金を充当する考えで、充電設備などのインフラ整備にもあたる。
「都庁の積極的に推進し、都民や企業に電動車への移行に対する姿勢を示していきたい」と担当者は語った。
現在259台の公用車を持つ千葉県市川市は、2030年に全車EV切替を計画中だ。
その一環として、市が所有しているEV車を市民に安く貸し出すカーシェアも今年から実施。市民のEV車購入促進が狙いだ。
神奈川県厚木市は、2022年3月までにEV車でゴミ収集を行うために動いている。
ごみ収集用のEV車両開発のため、5月に三菱ふそうトラック・バス、新明和工業と協定を締結し、2025年までには3台導入を想定。
現在保有している60台のごみ収集車を、メーカーの居力の元、順次EVへ切り替えていく方針だ。
EVが注目されているのは環境への配慮からだけではない。
埼玉県所沢市は、災害時の非常用電源として活用するため、日産自動車と県内の日産系販売店3社との間で2020年8月に連携協定を締結。
EVの利用や普及に共同で取り組むためである。
大規模災害等が発生した際、避難所の電源確保など電力供給に役立てる。
所沢市は日産とは別のEV車を既に10台保有している。災害時は電源としてそれらを優先的に使い、足りない分を日産のEV車追加で対応。
日産の代表的EV車「日産リーフ」は、1回の充電でスマートホン約6,200台の充電を可能とするため、非常時の戦力として期待が寄せられている。
今年の8月には、日産からEV車受け渡し、電源としての活用を見込んだ防災訓練の実施を予定している。