ヤマダHDが家電リサイクルなどで資源循環を加速
2021/06/16
ニュース
家電量販店最大手のヤマダホールディングスが、資源循環への取り組みを加速している。
同社では家電や住宅廃材のリサイクルやパソコンや家具などのリユース(再利用)を進めており、ユーザーが購入した商品を下取りして回収し、リユースやリサイクルを進めて、新しい独自商品の開発へ意欲的に取り組んでいる。このため、リユース工場を新設し、2022年4月に稼働させる他、24年には新たなリサイクルプラントを完成させる予定で、リユース製品の生産台数を23年度に20年比4・5倍の30万台に拡大させる方針という。
2020年3月に設立した株式会社ヤマダ環境資源開発ホールディングス(以下、「ヤマダ環境資源開発ホールディングス」)を中心に、環境・資源循環関連のグループ会社3社(注1)が下記4つの事業を展開している。(注1)株式会社シー・アイ・シー/インバースネット株式会/東金属株式会社
① 家電製品等のリユースの促進
使用済家電製品のリユース促進を図るため、リユース製品を販売する「ヤマダアウトレット店」の店舗網を拡大し、テレビ、冷蔵庫、洗濯機等のリユース製品の販売台数目標を年間約30万台とします。また、小型家電、デジタル家電のリユース製品の販売を拡大します。ヤマダホールディングスグループの各店舗で買取した家電製品やデジタル家電等のリユース工程の効率化及び生産能力向上のため、ヤマダホールディングスグループの株式会社シー・アイ・シー及びインバースネット株式会社の既存リユース工場の拡大・新規工場建設を進めます。現在、2021年度に既存工場の拡大、2022年度に新規工場建設を予定。
② 使用済家電の回収と再資源化
ヤマダホールディングスグループの東金属株式会社(以下、「東金属」)は、小型家電リサイクル法の認定事業者として小型家電リサイクル事業を展開しています。今後、その他の使用済製品等のリサイクル事業において素材選別機能と処理能力を向上させ、鉄・銅・アルミ・その他非鉄類の資源物、廃プラスチックなどの再資源化に取り組みます。2022年度までに東金属リサイクル工場の設備増強を予定。
③ リサイクルされた素材の活用
東金属が回収し、生産した再資源化素材を、ヤマダホールディングスグループのオリジナル製品や店舗備品の原料として使用し、再利用。ヤマダホールディングスグループ内で資源をリサイクルし、再利用することを通じて、グループ完結型資源循環体制の構築を目指す。
④ 廃棄物焼却発電施設の建設
2024年度までに東金属の現施設を撤去し、新たに廃棄物焼却発電施設「ヤマダ資源エネルギープラント」の建設を計画。本プラントは最新の排ガス処理システムを導入した国内最大量(270t/日 ※1 炉あたり)の産業廃棄物の焼却施設となる予定で、8,000kW/hの発電能力を有する見込み。今後、災害廃棄物の受入等も行い、自治体と連携して地域の自然災害への対応能力の拡充に寄与する取組につなげていく。
家電量販店でこうした資源循環を目指す企業は珍しく、同社は昨年10月に持ち株会社に移行していますが、もはや人口減・少子高齢化となり、家電製品の販売が急増する時代ではないとの考えから、同社はグループで省エネ家電や省エネ住宅、そして太陽光発電、蓄電池などを購入する仕組みをつくり、リユース、リサイクルの好循環を生み出すことで、グループ全体で”暮らしまるごと”を通じた新たな提案を図る考えを表明している。