環境省が初調査 国内で使用済みの衣服約7割が廃棄か
2021/04/20
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環境省の調査によると、国内では去年、家庭で使い終わるなどした衣服の65%、およそ51万トンがそのまま廃棄され、リサイクルや再利用されたりした衣服は合わせて3割余りだったと推計されると公表された。
環境省は国内で供給される衣服の製造などによる環境への影響を、民間のシンクタンクに委託して初めて調査依頼し、推計されたもの。近年、ファッション産業は大量生産・大量消費によってリサイクルや環境に対する意識の低さが指摘されていた。
去年1年間に家庭で使い終わったり、事業所で不要になったりして手放された衣服は、およそ78万7000トン。
このうち65%にあたるおよそ51万トンは、リサイクルされたり古着として再利用されず、そのまま廃棄されたとされ、1日あたりに換算すると毎日、大型トラック130台分の衣服がごみとして廃棄処分された計算となる。
その一方で、再利用されたのは20%、リサイクルされたのは16%で合わせて3割余りとなっている。
衣服の製造に関しても、国内に衣服を供給するサプライチェーン全体でみると、原材料を調達し、製造する過程で年間およそ9000万トンの二酸化炭素が排出されるほか、原材料の栽培や染色などに、1年間で、東京ドーム6700杯分を超えるおよそ84億立方メートルの水が使われていると推計された。
環境省の担当者は「廃棄された衣服のほとんどは家庭から出ていて、どうやって回収しリサイクルやリユースにつなげるかが課題になっている。また、日本のサプライチェーンは、生産の大部分を途上国など海外に頼っており、日本に衣服を供給するために海外で多くの温室効果ガスが排出され、貴重な水資源が消費されていることにも目を向ける必要がある」として、今後の対策が注目される。