沖縄・石垣市 最終処分場の延命計画停頓 残余1年半
2020/09/19
ニュース
沖縄県石垣市の一般廃棄物最終処分場の埋め立て残余期間があと1年半と想定されていることが判明。
9月定例市議会で当局側が我喜屋隆次氏の一般質問に答えた。
埋め立てごみを掘り起こして県外に搬出して延命化を図る計画だったが、掘り起こし量の倍増に伴って事業費が莫大となったため、再検討を余儀なくされている。市は簡易的なかさ上げで残余容量を増やしつつ、廃プラなど掘り起こしごみを新技術で処理する方法を検討中としている。
天久朝仁市民保健部長の答弁によると、ことし3月末時点での埋め立て処分場の残余容量は9825立方㍍。年間の埋め立て量は平均5000立方㍍となっているため、埋め立て残余期間は今年度を含め2年程度になるという。
当初は、次期最終処分場の供用開始までの期間約10年間の延命を計画。クリーンセンターでの廃プラ焼却を前提に掘り起こし量1万2500立方㍍を想定、県外への海上輸送費を含む事業費は7億1500万円を試算していた。ところが、この掘り起こし量は、クリーンセンターでの廃プラ焼却を前提に少なく見積もっていたもの。廃プラなどを加えた量は2倍以上の2万7500立方㍍に増大、事業費も18〜20億円に増大することになった。
天久部長は「事業費が妨げになっているため、高率の補助事業や新技術の導入など大幅に軽減できるようさまざまな観点から比較検討している」と答弁。残余期間は1年半となっていることから、当初予定していなかったかさ上げも検討。大城智一朗環境課長は「3㍍ほどの簡易的なかさ上げを検討しており、八重山保健所とも連携をとって進められるようにしたい」と話す。
クリーンセンターでの廃プラ焼却に向けては2021年度に実施設計を行い、22年度から24年度にかけて改造工事を行う予定だ。並行して次期最終処分場の場所選定作業も行っていく予定。同センターで廃プラを焼却するには、周辺3地区との協定書の見直しが不可欠となるが、天久部長は「2019年度に3回協議し、3地区の内諾を得ている」と報告してる。
我喜屋氏は「2020年度に着手の予定だったが、いまだに延命化事業が見えてこない」として早急な取り組みの必要性を訴えている。