兵庫の㈱タクマ ごみ焼却で発電処理施設を受注
2020/05/11
ニュース
兵庫県尼崎市にある環境装置メーカーの株式会社タクマは、発電機能を備えた家庭ごみ処理施設である「エネルギー回収型廃棄物処理施設建設工事」を、石川県の河北郡市広域事務組合から受注したことを発表。
同県かほく市と津幡町、内灘町でつくる同事務組合が、老朽化した既存施設の更新を目的として発注。2023年3月までの完成を予定し、契約金額は99億5千万円(税抜き)。家庭ごみの焼却時に生じる熱で下水汚泥を乾かし、ごみとともに汚泥を燃やして発電の熱源にする。1日当たり88トンのごみと30トンの下水汚泥を処理できる。
下水汚泥は乾燥機へ投入後、ごみと混焼。乾燥機として蒸気間接加熱型汚泥乾燥機を採用。この乾燥機は下水汚泥の量や質の変動に対応でき、また焼却により発生する蒸気を乾燥に利用することで乾燥に必要な燃料が不要という特長を有しており、本施設の安定稼働と下水汚泥の効率的なエネルギー利用が実現可能になる。
ごみ焼却の熱で蒸気をつくり、タービンを回して発電する仕組みで、蒸気量を一定に保つタクマの独自技術で発電効率を高める。発電した電力は隣接するし尿処理やリサイクル施設で使い、発電出力1700キロワットのうち、約520キロワット分を外部に売電する見込み。
同社は国内外の都市ごみ焼却施設で約360施設の建設実績があり、今後も地域の暮らしを守る安全・安心な施設を提供するとともに、自社の保有する廃棄物や下水汚泥の焼却発電技術といった独自の技術を組み合わせることで廃棄物のもつエネルギーを最大限有効活用し、低炭素社会の形成に貢献していくとしている。