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埼玉のシタラ興産 廃プラ焼却・発電施設に77億円投資

2020/02/21

ニュース

産業廃棄物処理のシタラ興産(埼玉県深谷市)は廃プラスチックの大型焼却・発電施設を建設すると発表。投資額は約77億円で、中国を初めアジア各国による輸入規制の強化で国内処理の限界が指摘され始めており、能力拡張は必要不可欠な課題となっている。新焼却施設では、廃プラ減量と同時に地域へ電力供給も行うとしていて、多額投資となる大型発電設備を併設する焼却施設はあまり例がない。

2025年の完成を見込んでいる新施設は、深谷市内にある工場の敷地内に建設される予定で、約7,900㎡の敷地に、流動床式と呼ばれる焼却炉やボイラ、タービンなどを建設する。
1日の処理能力は約230トン。廃プラは細かく裁断すれば埋めたてできるが、首都圏では満杯に使い処分場もあり、排出を減らすとともに、焼却により体積を減らすことも必須とされている。

同社は産廃業者が資源として分別できない細かな廃プラなどの2次処理が事業の主になっており、資源になる廃プラは多くの産廃処理業者は入手で選別しているが、他の廃棄物と混じった細かな廃プラは、シラタ興産のような2次処理業者引き受けている場合が多々ある。

新施設ではロボットなどでこれを再分別し焼却する。リサイクルできる鉄を除いた残さや焼却灰などはほぼ半分を路盤材として使い、残りを埋立に回す方針。
大型焼却施設からでりる約1200どの廃熱を使いボイラーで蒸発を発生させ発電用タービンを回す。発電能力は3200kW程度になると想定され、自社消費分を除いて深谷市などが出資する地域新電力「ふかやeパワー」に販売を目指す。(一般的な家庭の約200世帯分に相当)
新施設は外観にも配慮し、幹線道路に面した廃棄物受け入れ側は、あえて見えるようにし、近隣の企業や住人に安心感をあたえるよう工夫。

投資額77億円は一部を自己資金でまかなうが、大半は金融機関からの借り入れだ。年間売上高はグループ全体で約40億円。投資額は売上高の2倍近くになるものの、外注している焼却を社内で行うため効率化できる。既存・新規の顧客から廃棄物受け入れの打診もあり「おおむね採算のめどは立っている」(設楽竜也社長)と意気込んでいる。埼玉県には施設の許可申請を提出済み。

廃プラは17年末に中国が輸入制限を表明したことから、東南アジア向け輸出が増加。しかしながら、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアも相次いで輸入規制や輸入禁止に乗り出し、特にマレーシアは今年1月、日本を含む13ヵ国に対し、廃プラを送り返す声明を発表。今後、日本は国内で廃プラを処理する能力を高めることが課題。

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