中国輸入規制の影響で廃プラ100万トンが国内滞留
2019/12/20
ニュース
中国が廃プラスチックの輸入を規制してから2年が経過し、年間100万トンを超す廃プラを中国に輸出してきた日本は、行き場所を失った廃プラが問題となっている。海洋プラスチックごみが世界的課題となり、廃プラの再生利用への社会的関心も高まるなか、輸出に依存しない資源循環の仕組みの再構築が大きな課題とされている。
「ごみの受け入れ要請は例年の3倍ほどに増えた」と焼却施設大手の担当者は語っている。すでに設備余力がなく、受け入れを制限している。廃プラの中間処理業者もごみを抱えきれず「首都圏から北海道や九州の焼却施設に運ぶ業者もある」としているという。
国内にたまり続ける廃プラは排出事業者のコストに打撃を与えており、国内のリサイクル体制は弱体化傾向にあると懸念される。
首都圏をカバーする産業廃棄物業者は、事業者から委託費を得て廃プラを仕入れ、洗浄や破砕など中間処理を施してから焼却施設や再生工場に送る流れになっているが、その焼却施設に支払う委託費が高騰し問題となっている。
滞留しているプラごみに関して、輸出先を規制が緩い国に変えても根本的な問題は解決しないため、将来的に廃プラの品質や流通経路を管理する世界共通の仕組みをを日本が主導して再構築するべきとの声もあがっている。
国内と国外を問わず、各国が協調して廃プラのリサイクルネットワークのつくり直しが急務とされている。