石光商事と近畿大が共同開発 循環型コーヒー発売へ
2019/12/17
ニュース
石光商事と近畿大学は、コーヒー抽出後のコーヒー豆カスから製造したバイオコークスを燃料として焙煎した循環型コーヒー「Global Goals Coffee」を産学連携で共同開発し、20年1月に「ATI-CAFE」ブランドのドリップバッグで一般発売すると発表。
地球温暖化の影響で2050年にはコーヒー栽培に適した土地が現在の50%に縮小するとされる「コーヒー2050問題」を世間に広めるため、コーヒー豆カスの循環型リサイクルを地球温暖化対策の一つとして開発された。同社は、産業廃棄物となっていたコーヒー豆カスを原料に製造した固形燃料「バイオコークス」でコーヒー生豆を焙煎すれば、植物由来エネルギーのため、利用時のCO2排出量はゼロになため、この循環型リサイクルでコーヒー工場から出るCO2の排出削減を目指すとしている。
1月発売のドリップバッグコーヒーは5袋入りで希望小売価格600円(税別)。豆はレインフォレスト認証を30%以上配合し、ブラジル・南米、エチオピア・アフリカ、ラオス・ユーラシアの3大陸からだいたい均等にブレンドしたもので、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」=「すべての大陸」を具現化したもの。
また、包装材に至っては、バイオマスフィルムやバイオマスインキを使い、コーヒー運搬時に使われた麻袋のリサイクルからできた紙原料を化粧箱の一部に使い、コーヒー豆カスの循環型リサイクル以外まで環境へ配慮されている。同社は『持続的に』おいしいコーヒーを飲むためのメッセージを発信し、これからも共感の輪を広げていく、としている。
「バイオコークス」とは近畿大学の井田民男バイオコークス研究所所長が05年に開発しに成功し、光合成を行う植物資源が原料で、CO2排出量ゼロで環境に配慮したエネルギーとして期待され、バイオマス(再生可能な植物由来の有機性資源)を原料とする固形燃料のこと。