日本初 北海道の鈴木商会、タイに金属リサイクルの合弁会社設立
2019/11/28
ニュース
北海道内リサイクル大手の鈴木商会(札幌市)はタイと香港の廃棄物処理事業者2社と金属リサイクルの合弁会社を設立。
2019 年 1 月以降、世界規模で問題になっている中国による輸入規制(固体廃棄物輸入禁止目録)により、世界的に多くのスクラップが滞留している状況が続いている影響で、配線やモーターなどの廃棄物の処理コストが増えたり、引き取り左記がない事態が問題視されていた。これらの解決策として、この度タイに金属廃棄物をリサイクルする工場を新設し、金属の再利用に乗り出す。
日本・タイ・香港の3国企業による JV は日本で初めて。さらに日本企業が、タイ国内において「モータースクラップ解体事業」を展開することも今回が初となる。
■HIDAKA-CHIHO METAL RECYCLING(Thailand)Co.,limited 会社概要
設立:2019 年 11 月 5 日
本社/工場所在地:336 M.7 T.Bowin A. Siracha Chonburi 20230 THAILAND
社員数(スタッフ含む):およそ 230 人
工場稼働日:2020 年 1 月 1 日
年間最大処理可能:モータースクラップなど 20 万トン
年間処理計画:初期(1 月~12 月)6 万トン
概要:世界各国(北米・ヨーロッパ・日本が中心)からモータースクラップ(車や事務機器、工具
などの産業用モーターのスクラップ)などをタイ工場に集め、「解体」「選別」「リサイクル」を行う。リサイクル済の銅・非鉄金属などは精錬原料として需要ニーズが高い世界各国(中国・インドなど)に輸出販売する予定。2 期目(2021 年)以降はゾルバ(粉砕された非鉄スクラップ・アルミが大部分を占める)についても追加処理予定。
■各社代表者コメントは以下の通り
タイの日高洋行 代表取締役社長 日高 泰雄氏は、「日高洋行はタイで 91 年の歴史がある会社です。この長い歴史の中でタイ・日本・香港の 3 社が JV を組むことは初めてとなります。それぞれ強みの分野を持つ3社のノウハウを交わせながら、同じ方向を目指すことで、大きな相乗効果が出ることを期待しています。HCMR の工場があるタイ企業として、法令順守の徹底をし、モータースクラップリサイクル業界を牽引する企業になりたい」としている。
香港のCEG 代表 Qin Yongming氏は、「中国の輸入規制を始め、近年廃棄物やリサイクルを取り巻く各国の環境が劇的に変化する中、欧米および中国のモータースクラップリサイクルに強い CEG と、リサイクル業として各国で大きな影響力を持つ日高洋行、鈴木商会と JV を組めて嬉しく思います。3か国にまたがる JV のモデル企業となるべく、世界的課題解決に貢献していきたいと考えています。」としている。
日本の鈴木商会 代表取締役社長 駒谷 僚氏は、「中国の輸入規制は、全世界で問題になり、私たち日本、北海道も大きな影響を受けております。この問題を静観しているのではなく、各国を代表する 2 社と JV を組むことで、世界的課題となっている地球環境問題やリサイクル環境の変化に対して、解決する存在になりたいです。日本や北海道の未来を住みよい環境にするために、国境を越えたとても大きな一歩だと考えております。」と話している。