廃油回収でバイオ燃料製造のリサイクル事業 東北エコシステムズが破産
2019/10/12
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秋田市の株式会社東北エコシステムズが、秋田地裁から破産手続き開始決定を受けた。同社は一般家庭から回収した使用済み植物性油をバイオディーゼル燃料などにリサイクルする事業を手掛け、負債総額は約2億円(帝国データバンク秋田支店調べ)に上る見込み。
植物性食用油は全国で120万トン。そのうち廃食用油が40~60万トンといわれおり、業務用と家庭用の割合は半々で、特に家庭用の廃食用油が捨てられる実態が環境汚染問題となっていた。使った後の天ぷら油を下水に流すと、魚が棲める水質に戻すには、1リットルあたり30万リットルのきれいな水で薄めなければならない。それに比べてバイオディーゼル燃料は、資源量に限界がある化石燃料とは異なり、地球の自然環境の中で繰り返し得ることができる。また、バイオディーゼル燃料は二酸化炭素を吸収して成長する植物を原料としている燃料であるため、 京都議定書上の二酸化炭素排出量はゼロとカウントされている。これらの理由から、再生可能なエネルギーとして、地球温暖化を防ぐ一助として、近年注目されている。
東北エコシステムズは2000年に設立され、スーパーや飲食店、家庭から出る使用済み植物性油を回収し、不純物などを取り除いて植物性工業用原料として県外の業者に販売していた。また、リサイクルした軽油代替燃料は県内自治体の公用車や路線バスなどディーゼルエンジン車で使われた実績もあった。