PCB廃棄物を違法処理 県土地開発公社が昨年
2009/07/22
ニュース
長崎市は21日、発がん性が指摘され、人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)を絶縁油として使用した2灯式蛍光灯用安定器18台を、県土地開発公社(元船町)が昨年、不適正に処理していたと発表した。市によると、同公社は産業廃棄物を排出する際に廃棄物処理法で発行が義務付けられている管理票(マニフェスト)も交付しておらず、ずさんな管理が問われそうだ。
当該廃棄物が最終的にどう処理されたかは不明。市は公社に報告を求めるなどして、処分先や処分方法などの確認を急ぐ。
市などによると、PCBは公社の事務所で使った業務用蛍光灯に使用。本来は特別管理廃棄物として、日本環境安全事業(東京)の施設で無害化処理しなければならないが、公社は昨年4月、ほかの産廃物と一緒に産廃処理業者に引き渡した。この業者はPCB廃棄物が交じっていたことを知らなかったという。
PCBは1968年のカネミ油症事件を契機に72年から生産・販売が禁止。PCBを絶縁油に使用した安定器などは厳重な保管が義務付けられている。政令市の長崎市の場合は、年一度、保管や処分状況を市に報告しなければならず、公社が今月14日に提出した前年度分の届け出書で発覚した。
公社の山口雄二専務理事は「区別して保管するべきだった」と不適正処理は故意ではなかったとした上で、「管理について認識が甘くなっていた。管理票を交付しなければならないという認識もなかった」と話した。
公社は県が全額出資する特別法人で、公有地取得や土地造成事業などを手掛けている。
出典:長崎新聞