2億円廃棄物検査装置使えない 収集車「規格外」多く…大阪市お粗末
2010/09/07
ニュース
大阪市が、ごみの焼却工場に持ち込まれる一般廃棄物に不正に産業廃棄物がまじらないようチェックするため、総額2億2500万円をかけて3月に導入した検査装置が、多くの収集車とサイズが合わず、予定通りの作業では目標の3分の1しか検査が行えないことがわかった。
市は改修などを行ったうえで、結局元の手作業を併用して検査する羽目に陥っている。
検査は、事業所から出る一般廃棄物に、プラスチックなどの産業廃棄物がまじっていないかどうかを調べる目的。これまでは、無作為に選んだ収集車の、ごみ袋の中身を地面に広げて点検していたが、手間がかかり、昨年度は約50万台の収集車のうち4万台程度しか調査できなかった。
装置は効率を高めるために全9工場に設置。ごみを集めておく貯留ピットの手前に置き、収集車から装置のベルトコンベヤー(全長6・5メートル、幅3・4メートル)の上にごみを流し、目視で点検する仕組み。これを使って、今年度は15万台を調べる目標だった。
ところが、収集車によっては装置の幅が小さすぎたり、装置の前のスロープが急で重い車体が上がらなかったりして、コンベヤーが使えない収集車が続出。検査台数は月平均4000台で、年間5万台ペースにとどまった。
担当者は「標準規格車に合わせて設計したが、実際の収集車は多種多様だった。こんな事態は想定外だ」と頭を抱えた。
市は8月から、1日2工場ずつ行っていた検査を、全9工場に拡大し、装置を改修し、結局従来通りの手作業も行って目標達成を目指している。
搬入業者らでつくる市一般廃棄物適正処理協会の幹部は「業者への指導は厳しいのに、身内の計画はなんでそこまで甘いのか」と皮肉っている。
出典:読売新聞