鬼怒川温泉の不法ごみ 日光市、特例で撤去へ
2012/11/17
ニュース
鬼怒川温泉メーン通り沿いの廃旅館敷地内に、大量の廃家電などが10年以上にわたり放置されており、市が週明けにも撤去に着手する。民有地に放置された廃棄物を市が撤去するのは異例だが、国際観光都市の景観を著しく損ねている点を重視した。大半は不法投棄されたものとみられ、撤去には1カ月を要するとみられる。
大量のごみが放置されている廃旅館は、1999年に閉館。その後、徐々に敷地内に廃家電やマットレスなどが不法投棄されるようになり、ここ数年急激に増え道路にあふれ出す寸前となっている。
道路は温泉街のメーン通りの一つ。通行する歩行者、車両が多いほか、廃旅館は東武鬼怒川線の車両から間近に見える位置にあり、市議会の一般質問でも取り上げられるなど、たびたび景観上の問題が指摘されてきた。
しかし、民有地のごみの撤去を公的負担で行うことは難しく、市側も長年対応に苦慮。
鬼怒川・川治温泉観光協会がごみを遮蔽するための防護柵設置などの対策を講じようと、所有者と連絡を取ったが、承諾が得られないまま連絡も途絶え、民間での対策は暗礁に乗り上げた。
このため、市は長期間、観光地の景観に重大な支障を生じさせ、近隣住民の生活環境も脅かしているとして、10月から本格的な対応に乗り出した。同月下旬には、所有者と連絡が付き、敷地内への立ち入り、廃棄物の撤去、防護策の設置について了解を得、撤去を決めた。撤去費用総額は作業してみないと分からないという。
今後、市は民有地のごみ撤去について一定の基準を作成するという。
出典:下野新聞社