霧島酒造 焼酎粕を活用したバイオガス発電
2018/03/05
ニュース
焼酎製造大手の霧島酒造株式会社は、2003年より、芋焼酎の製造過程で生じる芋くずや焼酎粕を資源としたバイオガス発電事業を行っている。サツマイモによる発電事業は国内で初めてで、焼酎メーカーの発電量は国内最大規模という。焼酎粕とは、製造過程でアルコール発酵したもろみを蒸留した際に発生する残渣物のことで、同社の廃棄物の9割以上が焼酎粕という。
2012年には、リサイクルプラントを増設し、増加するバイオガスの有効利用を進めてきた。発電量は、年間700万kw/hで、約2,000世帯分の年間電力消費量に相当する。発電した電力は、工場内の一部の施設で利用し、残った電力は九州電力に売電している。
リサイクルの工程としては、焼酎粕と芋くずをバイオリアクタというメタン発酵槽に送り、微生物によって、分解、ガス化する。その後、生成したバイオガスは脱硫塔で硫黄水素を除去、ガスホルダに貯蔵し、ボイラー用燃料となる。同社の本社リサイクルプラントでは、1日に最大800tまで処理が可能という。バイオガスを工場内でボイラー燃料として使用することで、燃料費を削減し、二酸化炭素の排出量も減らすことができる。
同社は、新しいリサイクルプラントを建設中で、今後もリサイクルの取組みに力を入れていくという。