震災がれき、静岡に到着 あすから試験焼却
2012/02/15
ニュース
東日本大震災で発生した岩手県山田町のがれきが14日夜、静岡県島田市での試験焼却のためJR静岡貨物駅(静岡市駿河区)に到着した。静岡県や島田市の受け入れ基準を満たせば、トラックに積み替えられて島田市内に向けて出発する。
がれきは15日から島田市内のゴミ処理施設「田代環境プラザ」に運び込まれ、16、17の両日にわたって一般ゴミと混ぜて試験焼却される。同市は搬入や焼却の過程で放射性物質の検査結果を公表するほか、近隣小学校の空間線量測定を行って不安払拭に努める。基準を超えた場合は作業を中止する。
同市の桜井勝郎市長は昨年12月、川勝平太・静岡県知事の「ゴミ処理能力の余力の1%で震災がれきの受け入れを」という呼びかけに応じ、受け入れの意向を表明した。しかし、放射性物質の拡散や風評被害を危惧する住民から反対の声が上がった。市は地元説明会を何度も開催し、細野豪志環境相も現地入りして安全性を訴え、住民に理解を求めてきた。
桜井市長は今月1日、「地元代表者の同意を得ていないが、市の責任で試験焼却を進め、安全を確認したら、がれきを受け入れる」と宣言。安全性が確認されれば3月中に、岩手県大槌、山田両町のがれき受け入れを正式表明する。
がれきの受け入れについては、東京都が昨年11月、岩手県宮古市のがれきを受け入れたほか、宮城県女川町のがれき受け入れも発表しており、平成25年度までに計約50万トンを処理する方針。山形県も昨年7月から、岩手、宮城両県からの受け入れを実施している。
秋田県も岩手県からの受け入れに合意しているほか、大阪府、神奈川県、千葉県が受け入れの方針や前向きな姿勢を明らかにしている。
出典:産経ニュース