電源開発、一般廃棄物を炭化燃料に加工する事業を長崎県西海市で川崎重工と開始
2012/11/07
ニュース
電源開発(Jパワー)は、一般廃棄物を炭化燃料に加工して有効活用する事業を長崎県西海市で川崎重工業と始める。施設の設計、建設、運営を一括して実施する事業となり、同市と事業契約を結んだ。2015年3月までに施設を造り、4月から運営する。川崎重工が設計・建設を担当し、運営はJパワーと川崎重工が共同出資した特別目的会社が手掛ける。
西海市は、施設の設計、建設、運営を民間事業者に委託するDBO(設計・施工・運営)方式を採用し、総合評価一般競争入札で決めた。運営期間は2030年3月までの15年間。建設する施設は、2系列合わせて1日30tの処理能力があり、15年間で計画するごみ処理量は11万1798t、炭化燃料製造量は約2万2300tとなる。炭化燃料は市内の製塩会社の工場で使う。
特別目的会社は「グリーンコール西海」の名で10月1日に設立した。資本金1億円、出資比率はJパワーが60%、川崎重工が40%。施設では、かき混ぜて破砕したごみを炭化炉に供給し、ほぼ無酸素の状態で約1時間かけて約450℃の温度で炭化する。炭化炉から排出された炭化物は、塩素濃度の低減と異物除去を行った後、脱水を経て小さな粒の燃料にする。
取り除く異物のうち、鉄とアルミを資源として回収するほか、炭化炉で発生するガスエネルギーの一部は炭化や脱塩のための熱源に有効利用する。Jパワーはこれまでも未利用資源の活用を推進し、下水汚泥からのバイオマス(生物資源)燃料製造事業に取り組んでいる。今回始める一般廃棄物からの炭化燃料もその一環となり、今後も積極的に進める。
出展:日経BP環境経営フォーラム