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電機各社、リサイクル技術に磨き プラ類を1秒で識別、ガラス再利用も

2013/01/28

ニュース

 三菱電機と島津製作所は、使用済み家電のリサイクル工程で回収したプラスチックの種類を99%以上の精度で、1秒で識別する技術を開発した。これまで手作業で行っていたリサイクルプラスチックの純度検査を自動化できる。

 品質管理の効率化につながり、家電リサイクル量の拡大に貢献できる。三菱電機は家電リサイクル事業において早期に同技術の実用化を目指す。また、島津製作所は装置を製品化する計画だ。家電リサイクル法の施行や消費者の環境意識の高まりから、電機各社がリサイクル技術を相次ぎ強化している。

 使用済み家電から取り出したプラスチックを再利用するには、家電に含まれるポリプロピレン(PP)やポリスチレン(PS)、ABS樹脂など種類別に、高精度に選別する必要がある。新技術は家電から取り出し破砕されたプラスチックに光を当て、反射光を分析することでプラスチックの種類を識別する。まず大きさの異なるプラスチックの破片を円盤状の搬送板に送る。回転する搬送板の穴にプラスチックを載せ、連続的に光をあてて分析。プラスチックを種類別に、エアガンを使ってはじいて仕分けしていく。

 光は波長の長い「中赤外線」を使うため、光を反射しにくい着色添加剤が混ざった色の濃いプラスチックでも確実に選別できるのが特徴だ。従来の手作業による純度管理に比べ効率化できる。三菱電機では「純度検査の自動化により、識別の高速化と高精度化につながる」と説明している。

 三菱電機は同技術をグループ会社でプラスチックなどのリサイクルを手掛けるグリーンサイクルシステムズ(千葉県緑区)に導入する計画だ。再生したプラスチックは、同社のエアコンや冷蔵庫、食洗機など白物家電の部品として活用する予定だ。

 一方、島津製作所は装置の製品化を目指し、家電業界以外にも導入を働きかける考えだ。製品化の時期などは未定。同技術は国内で11件、海外で3件の特許を出願済み。経済産業省の平成23年度の産業技術実用化開発事業費補助金を受け開発した。2001年に家電リサイクル法が施行され、家庭や事業所から出る使用済み家電を回収し、メーカーが引き取って再商品化することが義務付けられた。同法を機に、電機各社がリサイクル技術の開発を加速させている。

 プラスチックの他にも、金属やガラスなどを再利用する動きも活発化。パナソニックは廃棄されたブラウン管テレビのガラスを、断熱材として再利用する技術を開発。昨年2月にリサイクルした断熱材を使った冷蔵庫などを発売している。

 これまでブラウン管のガラスは主に、ブラウン管にリサイクルしていた。パナソニックはガラスを溶かし、細かいガラス繊維として再生する技術を確立。ブラウン管以外の再利用を可能にした。その他、同社は、使用済み家電から回収したプラスチックを再利用して外装材に使った洗濯乾燥機や炊飯器、掃除機なども発売している。

 電機各社がリサイクル技術を強化するのは、家電リサイクル法の施行に加え、再生資源の積極的な活用を消費者にアピールする狙いもある。パナソニックは、住友商事やDOWAホールディングスなどと合弁で、中国に家電リサイクルの会社を設立するなど、海外でもリサイクル事業に乗り出す企業が出てきた。

出典:産経新聞

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