障害者雇い被覆銅線分別 都内産廃業者、釜石モデル確立へ
2013/11/23
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産業廃棄物処理業の有明興業(東京)は、障害者による金属リサイクル事業を岩手県釜石市で始めた。グループ企業と連携して原材料を安定的に確保できるメリットを生かし、福祉とビジネスを融合させた「釜石モデル」の確立を目指す。
同社は釜石市と岩手県大槌町が出資する公益財団法人「釜石・大槌地域産業育成センター」(釜石市)の起業支援施設に入居しており、センターと21日、立地協定を締結した。
廃棄物の被覆銅線を銅線とプラスチック類に分別する事業で、同施設約90平方メートルを借り、10月7日に操業を開始した。釜石市と大槌町の障害者6人を雇用。1日当たり約250キロを処理し、年商約4000万円を見込む。
有明興業によると、被覆銅線のリサイクルは手間とコストが掛かる。国内ではビジネスとして確立されず、未処理のまま海外に輸出されてきた。
原料は子会社の「フジメタルリサイクル釜石工場」から調達する。仕入れ競争力と販売収益の向上が見込めるため、障害者が健常者と同等の待遇で雇用できるという。
センター入居は2年間。作業量のばらつきなど障害者の就労課題を解決し、市内での独立を目指す。障害者雇用のノウハウをグループ企業内で生かすほか、地元企業と共同で障害者が操作しやすい処理機械の開発に取り組む。
有明興業は、東日本大震災被災地のがれき処理も請け負っている。調印式で同社の松岡和人社長は「小さい事業だが、被災地の福祉の復興にも役立ちたい」と話した。
出典:河北新報社