車で持ち込む不法投棄続発 尼崎臨海部の県立公園
2010/07/20
ニュース
尼崎市臨海部の埋め立て地に、憩いの場として整備された県立公園で、駐車場が半年以上にわたって閉鎖されている。ごみを車で運び込み、駐車場に止めて不法投棄する“不届き者”が後を絶たず、昨年末に無料開放をやめた。
公園を管理する尼崎港管理事務所は「開放のめどは立っていない」としている。
尼崎市東海岸町の「尼崎のびのび公園」。尼崎港の埋め立て造成事業の一環で、2004年12月にオープンした。約40台分の無料駐車場があり、市の広報誌にも「六甲山の山並みを背景に臨海部が一望できる」と紹介された。
しかし、工場に囲まれた立地で、夜間は人けがなく、家庭ごみや不要な家電製品を持ち込む人が相次いだ。付近を重点警戒エリアとする尼崎南署が毎月のように廃棄物処理法違反容疑で摘発をしたが、市内だけでなく大阪府からもやって来て、大半が駐車場に車を止めていたという。
パトロールのすきを突く形で不法投棄は繰り返され、昨年末には県と県警、尼崎市が合同でごみを掃除した。同管理事務所は、監視カメラの設置も検討したものの予算的に難しいといい、駐車場の閉鎖を決めた。
公園は見晴らしの良さから、インターネットでも取り上げられている。週末に公園そばの岸辺に足を運ぶつり客も多く、路上駐車が増えた。
駐車場には「公園管理業務のため、当分の間、閉鎖します」と記した看板が掲示されたが、事務所には市民からの問い合わせがあるという。
駐車場閉鎖後も不法投棄は相変わらずで、抜本的な対策にはなっていない。「駐車場は本来、市民に開放されるはずで、不法投棄対策のために閉鎖する妥当性を問われると頭が痛い」と事務所の担当者。お手上げの状態が続いている。
出典:神戸新聞