諏訪市がヒシを回収し堆肥化 「緑のリサイクル」で可燃ごみ減量へ
2009/06/02
ニュース
諏訪市は今年度、諏訪湖で大量繁茂したり、湖面に浮くなどした水草類を回収し、堆肥(たいひ)化を試みる。すでに取り組んでいるせん定木などのチップ化とともに、「緑のリサイクル」を進め、可燃ごみの減量につなげる狙い。水質浄化に貢献している一方、船の行き来の支障となったり、「景観上好ましくない」との声が多いヒシを中心に堆肥化処理する考えで、農業者や一般市民への配布を検討していく。
県の「地域発元気づくり支援金」で事業費94万円の交付を受け、環境団体の諏訪湖浄化推進「和限」(中村義幸代表)に処理を委託。同市渋崎の諏訪湖漁協所有地の一角を借りて堆肥化を進める。
1日は、全市一斉清掃(5月31日)で回収された水草や雑草を用意し、菌が付いた落ち葉の中へ投入。ソバ殻、菌を増やすための米ぬかなどを混ぜた。1年間熟成すれば堆肥として活用できるという。
市生活環境課の昨年度のごみ質分析では、木やわら、植物類は全体の16.5%。生ごみ、紙類に次ぐ多さで、可燃ごみを増やす一因となっている。同課によると、特殊肥料に分類され、堆肥化や配布、販売に届け出や許可が必要となる生ごみ堆肥に対し、草堆肥はこうした必要がなく、希望者へ自由に提供できる利点もあるという。
湖面を覆う浮葉植物のヒシは、浄化作用のほか、底泥の巻き上げを抑える効果があるが、湖内への光を遮って酸素不足を引き起こしているほか、枯れる際のにおいに対して苦情も多い。このため、市は7月上旬に諏訪湖漁協の協力で刈り取り、堆肥化していく方針だ。
中村代表は「水草は諏訪湖に戻れば富栄養になり、メタンガス発生につながる。焼却しないことでCO2削減になる」。同課は「せん定木のチップ化とともに、草類は堆肥化し、自然から出たものを自然に帰すことができればと思っている。まずは1年間取り組みたい」と話している。
出典:長野日報