調布市、ごみリサイクル率45.1% 4年連続全国ベスト3 決め手は啓発
2009/11/10
ニュース
環境省が発表した全国自治体のごみリサイクル率ランキング(平成19年度分)で、調布市が人口10万以上50万未満の全国234自治体のうち第3位の45.1%を記録した。ランキングが始まった16年度から4年連続のベストスリー入りで、全国平均を常に20ポイント以上も上回り続けている。秘密はどこにあるのか-。ごみ対策現場をのぞいてみた。
不燃ごみの選別・破砕などをする市クリーンセンター(同市深大寺東町)。毎週水曜の午後、市全域から集められた紙類だけで直径約20メートル、高さ約5メートルの山が築かれ、委託業者による選別作業が始まる。
市ごみ対策課の土方(ひじかた)明課長によると、同市がごみの選別や回収で他自治体にない仕組みを設けている点は特にないという。高リサイクル率を生んだのは「焼却施設の処理能力不足のせいで、危機感が高まったことに尽きる」という。
市内の可燃ごみ処理をまかなってきた旧二枚橋焼却場は、老朽化で処理能力が落ちたため、近隣の衛生組合への処理委託が続いていた。18年度末に同焼却場が稼働停止し、現在は近隣2組合に全処理を委託している状態だ。新焼却場の稼働開始予定の25年度までは、多額の委託費がかかる。
このため同市は16年度から、戸別回収、可燃ごみ処理の一部有料化、集団回収への奨励金交付など先進的な仕組みを次々導入。これらを取り入れた自治体は他にも数多いが、同市は市民へのきめ細かな啓発、指導に力を入れてきた。
回収業者がごみ袋に不適物を見つけた場合はイエローカードを張って回収せず、後日、指導員が戸別訪問して指導する。月2回発行する市の広報紙の1面にはイラスト入りの啓発記事を連載するなど、分かりにくい分別方法の周知徹底に努めてきた。
「特別なことはしなくても、危機感をばねに、市民の皆さんのごみ減量意識が高まった。私たちの目標はランキング上位ではなく、徹底したごみの発生抑制です」と土方課長は話した。
出典:産経新聞