第12回環境経営度調査――産廃処理データ電子化、導入、43%どまり
2008/12/18
ニュース
製造業で排出物の状況を把握している拠点が国内に一カ所以上あるとした企業は五百四社。このうち「産業廃棄物の状況をすべて把握している」と答えたのは八九・七%だった。二〇〇八年度から産廃を出す事業者は、その処理状況を自治体に報告することを義務付けられた。ただ、すべての企業が万全の対応をできているわけではない。処理情報の電子化を進めている企業はまだ半数以下にとどまっている。
排出事業者が処理を委託する際に、量や種類などを記録して業者とやりとりする処理記録票(マニフェスト)は、これまで紙でのやりとりが主流。このため偽造や紛失などの課題が指摘されている。伝票の内容をまとめて報告書を作成する手間も必要となる。
電子データで処理情報を管理する電子マニフェストを導入すれば、作業の効率が高まる。ただ、電子マニフェストの導入を進めていると答えた企業は四三・一%にとどまった。
廃棄物の収集・運搬、処理業者を選ぶ基準をグループで共有している企業は四八・二%。事業所など現場の裁量に任せているとした企業は一〇%だった。処理業者の不法投棄を防ぐ対策としては、違法行為が発覚した業者を利用しない(九三・三%)、廃棄物の情報を正確に提供する(八四・八%)、定期的に処理現場を訪問する(八〇・七%)が多かった。
廃棄物処理業者の温暖化ガスの削減対策を支援していると答えた企業は一九・四%。七割以上は今後も支援の予定がないと答えた。もっとも、中小企業の温暖化対策を支援する「国内クレジット」制度が始まり、温暖化対策支援の輪が広がる可能性はある。
出典:日経産業新聞