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県西部の公営産廃処理場 県外搬出費など年10億円

2009/02/23

ニュース

,p> 4月からの2年間、県西部から公営の産業廃棄物処分場が消える。五日市処分場(広島市佐伯区)が予定より1年早く、3月に満杯となる一方、出島処分場(南区)の完成が計画より4年、遅れたことが原因。五日市処分場が受け入れてきた年間7、8万トンの産廃の大半は、民間や県外の処分場に向かう見通しだが、運搬費や処分費などの上昇は避けられず、関係者は「不景気の最中にコストが上がるのは痛い」と頭を抱えている。

 五日市処分場は、1991年1月に運用を開始。箕島処分場(福山市箕沖町)と並んで、廃棄物から染み出た汚水を浄化処理する設備を備えた、県内最大規模の管理型処分場として、県西部で発生する汚泥や燃えがらなどを受け入れてきた。

 運用開始の直後から、広島アジア競技大会(94年)の会場設備や、広島市中区の地下街「シャレオ」建設など大規模工事が続き、大量の建設残土や汚泥が持ち込まれた。ピーク時の97年度には55万立方メートルもの産廃が押し寄せたため、県は建設残土の搬入を止めるなど、受け入れ抑制に転換。処分場の延命を図ってきたが、約490万立方メートルの受け入れ容積は、2008年度末で2000立方メートルを残すだけとなる見通しとなった。

 <後釜>とするため、県は03年8月、出島処分場に着工。06年度中の運用開始を目指していたところに、思わぬ事態が起きた。国発注の鋼鉄製橋梁 (きょうりょう)工事を巡る談合事件が05年に発覚し、大手ゼネコンが軒並み指名停止となり、処分場の護岸工事の入札ができなくなった。工事は大幅に遅れ、運用開始は11年4月までずれ込む見通しとなっている。

 五日市処分場での処分料は、産廃税や運搬費を含めて1トン当たり8000円前後なのに対し、民間処分場はおよそ1万8000円。県外の処分場に搬入する場合は、輸送コストなどがかさんで3万円を超える。排出事業者らには、年間でおよそ10億円程度の負担増がのし掛かる見込みだ。

 県は県産業廃棄物協会などと対応を模索。箕島処分場や県内外の民間処分場への搬入を進めると共に、リサイクルによる減量化も進める。新年度予算案では、石こうボードのリサイクル施設の整備を助成する費用として産廃税から約4億円を盛り込むが、多くの産廃はリサイクルは困難という。

 同協会の高橋俊宏常務理事は「排出コストの上昇と景気後退が重なって、産廃の不法投棄に走る業者が現れないか警戒が必要。一日も早く出島処分場の運用を」と訴える。県産業廃棄物課は「事業者への負担を少しでも減らしつつ、リサイクルなど循環型社会への転換を目指す努力にもつなげたい」としている。

出典:読売新聞

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