県境産廃処理2月完了 県見通し
2013/11/18
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二戸市と青森県田子町にまたがる産業廃棄物不法投棄問題で、岩手県は16日に同市で開かれた原状回復対策協議会で、岩手側の全量の搬出と処理が来年2月に完了するとの見通しを明らかにした。2004年8月の掘削開始から9年半かけ、一定のめどがたつ形だ。
両県境の約27ヘクタールの地中に不法投棄された廃棄物は、掘削して搬出し、県内外の工場や廃棄物処理場でセメント原料にされているほか、焼却処分されるなどしている。
県によると、岩手側の廃棄物総量は約35万8000トン。10月末時点で98%にあたる約35万1000トンが処分された。当初、12年度中にも完了する方針だったが、東日本大震災による廃棄物受け入れ先の不足などで処理が遅れていた。
県は、廃棄物から出た有害物質に汚染された地下水の浄化処理を進めているが、完了は17年度までかかる見通し。この日の協議会では、9~10月の台風の雨水などの影響で、地中に残る揮発性有機化合物が流れ込んだ地下水が移動して、現場の一部で汚染濃度が高まったことが報告された。
県廃棄物特別対策室の中村隆再生・整備課長は、「当初は処理が終わるか不安になることもあった。汚染水も残り、まだ終わりではないが、ほぼ10年かかって一つの区切りを迎えることができた」と話している。
青森県側では廃棄物の全量約114万9000トンの搬出、処理が今年中にも完了する見通しだ。
出典:読売新聞