県が覆土案採用の方針 栗東・RD処分場
2008/05/16
ニュース
地下水汚染など周辺環境への影響が懸念されている栗東市のRD最終処分場問題で、嘉田由紀子知事は15日、問題解決に向けた対策として、処分場内に残る有害廃棄物の全量撤去案は採用せず、覆土案を基本とする方針を表明した。地元住民は全量撤去を強く求めており、知事への反発は必至の情勢だ。
県議会の環境・農水常任委員会で述べた。知事は「地元住民の声は重く受け止め検討したが、技術的、また(廃棄物の搬出車両による)交通渋滞、悪臭の発生、財源など大変難しい問題がある」と説明した。その上で「覆土案を基本として、実施計画案の策定を進めたい」とした。
県が採用する覆土案は、地下水汚染を防ぐために処分場地下を遮水壁で囲み、処分場表面は土で覆う工法。工期は3年、総工費約45億円と見積もる。
処分場への対応をめぐっては、一昨年12月から学識経験者や地元住民らで構成する対策委員会で審議。7対策案のうち、全量撤去を推奨案として答申した。
ただ、県の試算では全量撤去では約240億円、工期13年がかかる。国から財政支援が得られる産廃特措法の適用期限を超えることなどもあり、知事はこれまで「課題があり、困難」と慎重な姿勢を示していた。
知事は、常任委員会で「地元住民の理解、納得が得られるよう説明していきたい」としたが、県議らからは「現時点では、了承できない」との声が相次いだ。