田川の産廃不法投棄:市、業者に助成金返還請求 社長逮捕、経営難で回収難航 /福岡
2009/12/20
ニュース
田川市の伊藤信勝市長は17日、廃棄物処理法違反(不法投棄)容疑で社長(66)が逮捕された同市の廃棄物処理業「サンクス」に対し、企業誘致育成条例に基づく助成金や課税免除を取り消し、総額6513万円の返還などを求めていることを明らかにした。だが、同社は経営に行き詰っており、回収は難しいとみられている。
市企業誘致育成推進室によると、同社は04年度に条例適用を申請し、05~07年度、施設の新増設に伴う事業所設置奨励金計2944万円と雇用促進奨励金240万円の助成を受け、この3年間に固定資産税計2944万円の課税免除も受けた。
しかし、同社は今年6月、熊本県に汚泥を不法投棄した容疑で家宅捜索を受け、田川市内に不法投棄した疑いも浮上し、今月4日に社長が逮捕された。
市は10月、一部滞納があった今年度の固定資産税の徴収に加え、助成措置と課税免除の取り消しを決定した。市税務課は10月から、債権確保のために同社の敷地や工場の差し押さえに着手した。
ただ、同社は9、10月に2度の不渡りを出し、負債総額は約17億円に上るとみられ、現在まで助成金の返還などは全くないという。取引銀行など他の債権者との競合もあり、徴収可能額は不明だ。
伊藤市長は「市内企業の不法行為は想定外のこと。今後、育成条例を適用する際は会社の経歴や財務状況を厳しくチェックするようにしたい」と話している。
出典:毎日新聞社