産廃5000トン、敷地に放置 仙台市が撤去命令
2010/09/17
ニュース
仙台市若林区荒浜の廃棄物処理業「ミヤショウ」の敷地に大量の産業廃棄物が放置され、隣接地に土壌汚染が広がっていることが分かり、市は16日、廃棄物処理法に基づき、同社と関連会社の「日生化学工業」(若林区)、両社の代表ら3人に産廃の撤去などを求める措置命令を出した。
市廃棄物指導課によると、放置されているのはシュレッダーダストで、自動車の解体などで出たプラスチック類などの破砕物とみられる。野積みされた山は縦74メートル、横33メートル、高さ6メートルに上り、総量は約1万立方メートル、重さは約5000トンと推定される。
市が2009年10月以降、環境調査を実施した結果、廃棄物から高濃度の鉛が検出された。敷地から5メートルほど離れた水田のあぜからも、最大で基準値の6倍の汚染が確認された。市の調査で、周辺の水田にはまだ汚染は広がっていないが、シュレッダーダストによる土壌汚染や水質汚濁、廃棄物の崩落・飛散などを防ぐため、10月15日までに撤去作業に着手し、11年1月31日までに履行するよう命じた。
市によると、日生化学工業は1993年ごろからプラスチックごみの焼却処理を行い、99年に排ガスから基準値を超えるダイオキシンが検出されたため操業を休止。02年からミヤショウが処分方法を加熱処理に切り替えて事業を続けたものの、処理能力が落ちたこともあって大量の廃棄物が残った。
市は「保管量が適正量を超えている」として05年4月に改善命令を出したが、ミヤショウは履行期限の今年3月末までに撤去しなかった。ミヤショウは06年ごろから事実上休業状態という。
出典:河北新報社