産廃汚染土壌浄化へ、搬入始まる
2013/03/27
ニュース
産業廃棄物で汚染された香川県・豊島(てしま)の土壌をセメント原料化するため、処理を行う三菱マテリアル九州工場(苅田町松原町)への土壌の搬入が25日、始まった。香川県は週1回のペースで海上輸送を続け、まずは6月までに約5500トンを運び込む。
豊島では民間企業が長年にわたって自動車の破砕くずなどを不法投棄したことで、大規模な面積の土壌が鉛やヒ素といった重金属で汚染された。同県は汚染土壌をセメント原料にして無害化する技術を持つ三菱マテリアル九州工場と今年2月、処理の委託契約を交わした。
同県は土壌の掘削作業を進めており、環境基準を超える土壌は最終的に約7万トンにのぼると見込んでいる。2016年度末までに掘削を終える予定で、汚染土壌は順次、同工場に運んで処理する。
豊島からの搬出作業は23日に始まり、この日朝、最初の約650トンを積んだ輸送船が同工場の専用岸壁に着岸。夕方まで工場内への運搬作業を進めた。
搬入時の安全対策として、船の上部をカバーで密閉し、土壌に水を加え、飛散を防ぐなどしているという。香川県と同工場は2月、工場周辺の住民を対象に処理事業の概要を説明し、有害物質は高温処理で無害になることなどを報告した。
苅田町環境保全課は「香川県などには、住民の安全を確保して処理を進めるよう要望した」と話している。
出典;読売新聞