生ごみの自家処理推進 富士見町が説明会
2008/03/24
ニュース
可燃ごみの減量と資源化に向けて、富士見町は新年度から、生ごみの自家処理と堆肥(たいひ)化を推進する方針だ。22日は同町コミュニティ・プラザで「生ごみ自家処理方法の説明会」を開いた。数年前に一時普及したホームコンポストが有効に使われず、畑の隅などに放置されているためで、発酵促進剤などを使った利用方法を紹介した。生ごみを有機物として土に返す循環型社会を目指す。
町建設課生活環境係によると、2006年度に町内で収集した可燃ごみの総量は3894㌧で、このうち家庭系が2839㌧。生ごみは半数近くを占め、「生ごみを自家処理すれば可燃ごみは大幅に減る」とみる。
町はコンポスト購入に、2000円を上限に助成しており、4、5年前に普及が進んだ。しかし、腐敗臭に悩まされ、自家処理をやめてしまった家庭が多い。同係は「使い方が周知されていなかった。生ごみを投入したたけで堆肥化すると錯覚している人が多い」とみる。「正しい使用方法を理解すれば自家処理は進む。町内には庭や畑のある家が多く、条件はそろっている」と小池正俊係長は話す。
自家処理方法の説明会は初めて開き、コンポストの設置方法、生ごみの入れ方などを解説。信州大学農学部と共同で町内業者が開発した発酵促進剤「生ごみ食いしん坊」の使用方法を、開発者の宮坂典利さんが説明。「生ごみは燃やさない選択をし、資源として活用してほしい」と呼び掛けた。
ごみ減量を進める住民組織「クリーンアップふじみ」は、米ぬか、もみ殻、糖蜜などを混ぜて作った発酵促進剤「ぼかし」の使用方法を説明した。同係は、アパートなど庭のない家庭向けに、ベランダでもできる「段ボール箱コンポスト」の使い方を紹介した。
参加した40代の女性は「以前試したが、冬場に発酵せず、夏場はにおいがひどく断念したが、もう一度試してみたい。コンポストは庭に置いても違和感のない、おしゃれなものがあれば」と話していた。
同係は「生ごみの自家処理は手軽にでき、悪臭がないことが必要条件」とし、微生物の活動を活発化させる発酵促進剤の利用を呼びかけ、効率的な使用方法を普及させたいとしている。