生ごみでバイオマス発電 豊橋市内で来年、社会実験
2013/11/15
ニュース
豊橋技術科学大や県、豊橋市などの研究プロジェクトチームは、市内にある県の下水処理施設「豊川浄化センター」で来年五月から二カ月間、市内の一般世帯から排出される野菜くずや残飯といった生ごみを分別収集し発電する社会実験をする。収集方法や発電量などを検証し、バイオマス(生物由来資源)のさらなる活用に生かす。住民の協力も受けて生ごみを分別収集する実験は珍しく、発電に利用する社会実験は県内初とみられる。
実験に協力してもらうのは、豊橋市前芝地区の三百八十五世帯。配布する専用のポリ袋に生ごみを入れてもらい、週二回、ごみステーションに設置する専用コンテナで回収する。
豊川浄化センターでは二〇一一年度から、豊橋、豊川、蒲郡、新城の四市から集めた下水汚泥を使ったバイオマス発電の研究が始まっており、今回収集した生ごみを汚泥とともに発酵させ、発生するメタンガスを使って発電させる。電力はセンター内にあるトマト温室栽培の照明や温度管理に使用する。
プロジェクトチームが今年八月に実施した調査によると、前芝地区では可燃物の38%を生ごみが占めており、三百八十五世帯からは一回の回収で五百四十キロの生ごみが集められると想定する。
年間の収集量に換算すると五十六トンになり、これらをもとに発電すると総発電量は八千四百三十キロワット時と見込まれ、一般家庭二世帯分の年間消費電力に相当するという。
社会実験では、生ごみの効率的な分別収集の方法や実際の収集量、見込み通り発電できるのかなどを検証し、結果を公表する。
プロジェクトは、一一年度に文部科学省の科学技術戦略推進費の補助対象となり、五年間に六億円余の研究費が交付されている。
豊川浄化センターのバイオマス発電をめぐっては、県はセンターに発電施設の新築や汚泥処理施設の改築を計画。一六年度からは、バイオマス事業などを民間資金を活用した社会資本整備(PFI)での実施を予定している。
出典:中日新聞