琴浦町笠見に産廃物処分場 民間業者が建設計画
2011/02/10
ニュース
琴浦町笠見の放牧場に民間業者が産業廃棄物最終処分場の建設を計画していることが、9日までに分かった。県内最大規模の安定型処分場で、業者はすでに事業計画を県に提出。住民説明会も行われているが、環境汚染や有害物質が混入する恐れがあるとして反対する動きが出ている。
最終処分場の建設を計画しているのは、アクアエコクリーン」(同町笠見、横見利哉社長)。笠見畜産団地に隣接する放牧場に、処理能力約40万立方メートルの安定型処理場を建設する。
安定型処分場に廃棄できるのは、廃プラスチック▽ゴムくず▽金属くず▽ガラス・コンクリートくず及び陶磁器くず▽がれき類▽鉱さい―の6品目。地下水への浸透を防ぐ遮水工などはなく、素掘りの穴に埋め立てるため、廃油など環境汚染の原因になる特別管理産業廃棄物は持ち込めない。
同社は2009年12月に事業計画を県に提出。県の「廃棄物処理施設の設置に関わる手続きの適正化及び紛争の予防、調整等に関する条例」(以下、条例)に基づき、同計画を昨年11月19日から12月17日まで同町や県中部総合事務所、地元の公民館などで縦覧した。現在、周辺住民への説明会を実施しており、理解が得られれば、建設の運びとなる。
しかし、廃棄物による環境汚染や廃棄物を運搬する車両・重機の騒音、有害物質の付着・混入などを懸念する周辺住民らが、昨年末に反対団体を組織。計画に対する意見書を業者に提出するほか、「町にも計画に同意しないよう要望する」としている。
条例では、計画について関係住民から意見書が提出された場合、業者には回答の義務がある。回答に対して、さらに意見があれば、やりとりは継続し、その間は事業は進まないが、どうしても調整がつかなければ、県が県廃棄物審議会の意見を聞き、計画の可否を判断する。
出典:日本海新聞