油含んだ土壌広範囲に/山形市
2010/12/07
ニュース
JR山形駅南東地下道工事
山形市が、JR山形駅近くで進めている地下道整備工事で、油を含んだ土壌が広範囲で見つかっていたことがわかった。既に油を含んだ土壌は適正に廃棄されている。市は「市の公共工事では初めての事例。自然発生したものではなく、人為的なものだと思うが、原因は不明」としている。
市都市政策課によると、油を含んだ土壌が見つかったのは、JR山形駅南東側で、駅の東西を結ぶ都市計画道路十日町双葉町線の地下道整備工事の現場。深さ3~5メートルの場所で、南北に20メートル、東西に40メートルにわたって油を含んだ土壌が確認されたという。
2009年11月中旬に油のにおいが確認され、今年1月に土壌の成分分析を行ったところ、燃料油などに含まれる物質「ベンゼン」が環境基本法に基づく環境基準(1リットル中0・01ミリ・グラム)の22倍の値で検出された。市民生活への影響はないという。
市は、環境基準を上回った約1600立方メートルの土壌を産業廃棄物として処理。処理費用は約5500万円で、緊急を要するとして、市は同工事の別費用から予算を捻出し、その後、穴埋めする形で、6月定例会に補正予算を計上していた。
油を含んだ土壌が見つかった場所は、山形ガス(山形市)、JR貨物、市がそれぞれ所有していた土地にまたがる。市は、01年に山形ガスと、03年にJR貨物とそれぞれ売買契約を締結し、地下道整備工事を進めている。
かつて、山形ガスはガソリンスタンド、JR貨物は貨物駅として使っており、油は粘土層の上で止まる形となっていた。
JR貨物東北支社と山形ガスはともに、「事情も原因もわからない」と話す一方、市は「両社と協議を行いたい」としている。
出典:読売新聞