森下仁丹 レアメタル回収・医薬品開発に活用
2013/09/30
ニュース
ビフィーナをよく見ると、粒に継ぎ目がないことに気付く。この継ぎ目のない「シームレスカプセル」こそが、森下仁丹の大きな財産だ。
このカプセルは、銀粒仁丹のコーティング技術がもととなっている。葉からすべり落ちる朝露をヒントに考案されたもので、1980年に開発された。森下仁丹では、このカプセルに関する技術を活用した2つの新たな用途開発に取り組んでいる。
一つは産業排水に含まれるレアメタル(希少金属)の回収だ。レアメタルイオンを吸着するバクテリア(微生物)を閉じ込めたカプセルを、産業排水中に放出してレアメタルを効率的に回収する。大阪府立大学の小西康裕教授とともに開発が進められており、今年5月には回収機の試作機が完成。近く実証実験に入る。
もう一つは医薬品開発。ワクチンをカプセルに閉じ込めて服用できるようにすることで、注射によるワクチン接種よりも低コストで投与できるようになるという。
もっとも森下仁丹はここ数年、カプセルを使った医薬品などの受託生産を強化しており、すでに100社、1500以上の商品に同社のカプセルが使われている。駒村純一社長は「レアメタル回収など、カプセルを使った新技術を日本発のものとして、世界へ大きく売り込みたい」と意欲を見せる。
出典:Sankei Biz