株式会社ティービーエム 排水に含まれる油脂から発電燃料製造
2017/09/19
ニュース
9月8日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と株式会社ティービーエムは、飲食店や食品工場などの排水を分離回収した油脂を原料とした発電燃料を製造したと発表した。また、同燃料を利用した発電機を搭載したバイオマス発電車も開発し、埼玉県内のイベントでの電力供給の実証実験も行った。同社は、NEDOの「ベンチャー企業等による新エネルギー技術革新支援事業」の一環で、トラップグリースを用いたバイオマス発電システム「フード・グリーン発電システム」の取組みを2013年から進めていた。
飲食店などには、油水分離阻集器(グリストラップ)の設置が義務付けられている。このグリストラップで、集められる排水油脂の賦存量は、全国で推定310,000t。これらは、不純物が多く含まれているため、資源として再利用するのが難しく、ほとんどが焼却処分されていた。そこで、株式会社ティービーエムは、排水を分離回収し動物性油脂を精製改質する技術を開発し、発電燃料を製造することに成功した。しかも、一切の化学薬品は使用せず、副産物も出さないという。
バイオマス発電車については、同燃料で発電する100kVAの発電機を搭載させた。実証実験は、大手牛丼チェーン店「松屋フーズ」の協力を得て、98店舗から回収した動物性油脂で発電用燃料を製造。イベントで使用する調理器具などに電力供給した。
同社は、今後も様々なイベントで実証実験を行い、2020年までに首都圏全域に同システムを普及したいとしている。